Mariaさんに作っていただいたバッグを手にしたとき、私は、母が小学生の私に作ってくれた通学バッグの優しさを思い出しました。今まで思い出したことがなかった、懐かしい記憶。市販のバッグを使い続けていた私は、手作りの優しさを忘れていたのです。私が今まで出会ってきたバッグはそれぞれ自己主張して、私と合わない部分も多々ありましたが、そんなこと気にしたことはありませんでした。だって、それしか知らなかったのですから。Mariaさんのバッグは、私と出会った瞬間、私に寄り添ってくれたのです!それも自然に優しく。肩にかけて脇に挟んだときや、電車で座って膝にバッグを乗せたときに、この感覚に気づき、思わずバッグを抱きしめていました。

使ってからわかるMariaさんのこだわりが、たくさんあります。実際に肩にかけてバッグの中に手を入れてみたときに、緻密に計算されたバッグの形やポケットの大きさ・位置に驚かされます。バッグの中のどこへも無理なく手が届くようになっているのです。ポケットも然り。バッグにたくさん荷物を入れてしまったときでも、バッグの持ち手は肩に優しくフィットし、重ささえ忘れさせてくれます。これを私は機能的とは呼びたくありません。Mariaさんの優しさ・愛だと思うのです。使い手を思いながら、おひとつおひとつ考えて作っていただいていると思うと、嬉しさでいっぱいになります。

ここで一番強調したいのは、Mariaさんの布のセレクション。女性ならずっと持ち続けたい優美さのある布地に目をつける、Mariaさんのセンスに心躍ります。バッグを合わせて鏡を見たときに、いつもの私と違い、少し女性らしく柔らかい表情になっていることに驚きます。

このバッグに出会えて本当に良かった!私はMariaさんのバッグを使うたび、心からそう思えるのです。


Malena